2024年7月14日
ピアニストでユーチューバーでもある角野隼斗さんの武道館コンサートが開催されました。
7月14日は角野さんのお誕生日でもあり、客席からの「お誕生日おめでとう」の声で、角野さんも、自分でハッピーバースデーの曲を弾きながら、武道館の満席のお客さんみんなで、歌ってお祝いをしました。
音楽の道で生きていこうと決めてから、まだ4年ぐらいだそうです。
しかもそれはコロナで外に出れない時期の決断。
そのためユーチューブを使っての配信でスタートした音楽の道の始まりだったそうです。
今はユーチューブも登録者100万人超えの人気ユーチューバーでもあります。
ジャズでもアニソンでも、ピアノだけでなく、両手を使って他の楽器も一緒に演奏し、一人オーケストラなどを行い、音楽を枠にとらわれず楽しむ自由な発想が、他のピアニストと少し違うアーティストです。
自由だけれど、基本はショパンコンクールでセミファイナルまで上り詰めるクラシックの実力者でもあり、現在は活躍の場は世界へ広がっています。
完璧なクラシックピアニストだからこそ、自由に崩して幅広い音楽、自由に編曲して自分の音楽に変えていく技が、多くの人の心を打ち抜きます。
今回の武道館コンサートはどうだったでしょうか。
まずはショパンコンクールセミファイナリストらしくショパン3曲からスタート。
超絶技巧の楽曲ながら、これらは小学校時代によく弾いていた曲だから、角野隼斗の記念すべき武道館で、自分の歩みとしてスタートの頃の曲として弾かれました。
こんな難曲を、小学生が弾いていたのかと驚かされます。
角野さんはクラシックも自分なりの編曲を楽しんで自由に表現していくのが得意ですが、トルコ行進曲を、どんどん転調してアレンジして弾いたのが楽しく、子供も楽しめる楽曲となっていました。
休憩の後は、いつものトイピアノを床において、あぐらをかいて弾き始めました。
トイピアノで「キューピー3分クッキングのテーマ」から「ラプソディインブルー」を弾いてくださり、会場は盛り上がりました。
「3分クッキング」の曲といえば、角野さんが影響を受けたのだめカンタービレの中の重要なシーンに使われた曲でもあり、「ラプソディインブルー」ものだめカンタービレの主題歌です。
後半一部ユーチューブライブ配信をしたので、武道館に来ていない人も一緒に楽しめました。
美しいオリジナル曲の「胎動」を演奏されたときは、舞台演出がキラキラと水の中にいるような演出になり、胎動を感じる素晴らしい体験になりました。
ユーチューブライブ中のオリジナル曲「胎動」が始まった途端、コメント欄は、「胎動きた~」「胎動!」「うつくしい~」「涙が出る~」などの書き込みがいっぱいでした。
本当に「胎動」なまで聞くと美しくて感動します。
角野さんが影響を受けたという「のだめかんたーびれ」の中で、千秋先輩が、音楽と宇宙が繋がっていると昔の人は考えていたという説明をするシーンがあります。
同じような話を今回されていて、宇宙に興味があり、音楽もそこに繋がっていると感じてる、それを表現していくと。
ボレロも、「のだめカンタービレ」の中の重要なシーンでコミカルに描かれる名曲です。
のだめカンタービレを見た子供が、イントロが始まった時、「あの面白い曲が始まった」と喜びました。
ボレロはオーケストラ曲ですが、いつも、グランドピアノとアップライトピアノ、電子ピアノ、トイピアノなど、複数のピアノを組み合わせて、いろいろな曲を一人で演奏されます。
今回は電子ピアノで他の楽器の音を出したり、グランドピアノの弦の部分にタオルを置いて音を変化させたり、弦を太鼓のバチのようなもので叩いて音を出したりしながら、見事一人オーケストラで「ボレロ」を演奏しました。
これは圧巻でした。
アンコールのときに、「お誕生日おめでとう」の声がかかり、皆でハッピーバースデーを歌い盛り上がりました。
ハッピーバースデーのピアノが途中から編曲されてきて、「あ!これはショパンが・・」とまさかの名曲に突入し、ショパンではじまり、ショパンで終わりました!
ラストは英雄ポロネーズでした!
角野さんは良くアンコールにこれを弾かれます。やはりショパンコンクールセミファイナリストはショパンで始まり、ショパンで終わると、なにか嬉しいです。
武道館ライブのライブ配信がこちら
中間辺りから後半のトイピアノによるラプソディインブルーが始まります。(前半は休憩中のものであり、画像が動きません)
最後が感動の「胎動」を弾いているので、是非この曲に癒やされてください。
コメント欄にあるように、「涙が出る」それほどに美しい曲です。
■演奏曲目
ショパン:スケルツォ 第1番 ロ短調 Op.20
ショパン:ワルツ第14番 ホ短調 遺作
ショパン:エチュード第11番 イ短調 Op.25-11「木枯らし」
モーツァルト/角野隼斗:24の調によるトルコ行進曲変奏曲
リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調 S.244/2(カデンツァ 角野隼斗版)
角野隼斗:Human Universe
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即興
角野隼斗:追憶
角野隼斗:3つのノクターン
Ⅰ. Pre Rain
Ⅱ. After Dawn
Ⅲ. Once in A Blue Moon
ラヴェル(⾓野隼⽃編曲):ボレロ
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アンコール
J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ BWV 147
ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53「英雄」
角野さんが、ハンカチタオルの呼び名が恥ずかしいからこのグッズは気に入っていないと話していました。
このギャグはスタッフが考えたものだそうです。
アンコールに、このTシャツを着ていらっしゃいました。